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Amazonが売らないものだけ売るECサイト「ボックスト(BOXED)」

 AからZまですべてのものを扱っていることを売り文句にしているアマゾンでも、取り扱いを遠慮している商品がある。重いもしくは大きくて配送料が高い反面、値段が15ドル以下で売れば売るほど損する商品たちが対象だ。アマゾンではこういう商品をCRaP(‘Can’t Realize a Profit(=収益を出せない)’の略)と呼んでいるらしい。

 アメリカには、アマゾンではCRaPに分類されるような商品のみを取扱っている「ボックスト(BOXED)」というECサイトがある。「ボックスト」は、商品を1個ずつ販売せずに、必ず10個以上もしくは箱単位でまとめて販売している。「ボックスト」という名前も、箱単位で販売するというところから来ているという。

 感のいい人は、「あれ?どっかで聞いた話だぞ?」と思うかも知れない。そう、これはまとめ買いで有名な倉庫型スーパーである「コストコCostco)」をそのままオンラインに移したようなビジネスモデルで、販売数量を増やしてマージンを出し、配送費用を最小限に抑える仕組みだ。

 2014年に800万ドルだった「ボックスト」の売り上げは、2016年には1億ドル、2017年には1億5000万円といった具合で増えており、2018年には日本の小売王手イオンからも出資を受けるなど、順調に成長している。

 当然だが、単に「コストコ」モデルをオンラインに持ち込むというアイデアだけ、成長し続けることはできない。実際に色んな工夫をしているようだが、特記すべき工夫は3点ぐらいに絞られると思う。

 1点目は、取扱う商品を約1,500種類に絞っていること。商品選びの基準として、家庭で毎日使われる消耗品であることや賞味期限/消費期限が長いこと、箱売りができることなどを設けており、取扱う商品を絞って集中的に取引することにより購入単価を安く抑えている。その結果、アマゾンよりも30%程度安い値段で販売できているという。

 2点目は、物流センターを徹底的に自動化していること。商品の取り出しから箱詰めまでプロセスをロボットが自動的に行い、人は箱詰め状態の最終確認のみを行っているという。その結果、当初は1センターあたり100人程度の従業員が働いていたが、今は10人程度で回せているらしい。

 3点目は、グループ注文サービスを導入していること。1人暮らしの人にとっては、いくら安くても箱買いは負担になる。保管する場所もないし、使いきることもできないからだ。そのような人たち向けに、グループで注文して割り勘できる機能を導入していて、これが好評だという。

 最近、本気で節約を始めた身としては、とても魅力的なサービスだ。更にビジネスを拡大して、日本にも進出してくれることを期待している。

 

「ボックスト(BOXED)」メモ

  • アメリカのスタートアップが手掛けるECサイト
  • まとめ買い専門であることが特徴であり、オンライン版のコストコで知られている。
  • 取扱い商品を絞り、集中的に取引することで仕入れ値を安く抑えている。
  • 積極的な物流センターの自動化により、大幅な人件費カットも実現している。
  • グループで一緒に購入して割り勘することができるグループ注文サービスが好評。

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ボックスト