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1台で275本分の木に相当する空気清浄効果を発揮「シティ・ツリー(CityTree)」

 数年前の年末年始に、久しぶりに中国の北京を訪れた。学生時代に語学留学で3ヵ月ぐらい滞在していたこともあり、私にとっては思い出の街であり、好きな街の一つである。ちょうど親友が駐在していたので約7年ぶりに行ってみることにした。

 久しぶりに訪れた北京は、依然として、街の中心部に残されている歴史地区、大陸の首都だけあっての高層ビル群、凄まじい経済発展を物語る人々の活気等が合わさった魅力あふれる都市であったが、1つだけ残念なことがあった。

 冬場における中国の大気の質が悪いことは日本のニュースでも良く報じられているが、実際に行ってみたら想像以上に悪かったのだ。ひどい日には数十メートル先のものが見えないほどで、7年前よりも一段と悪くなっていると感じた。

 ドイツのスタートアップ「グリーン・シティ・ソリューションズ(Green City Solutions)」が開発した「シティ・ツリー(CityTree)」は、そんな大気汚染に直面する中国政府の悩みを、少しは晴らしてくれるかも知れない。

 「シティ・ツリー」は、高さ4メートル、幅3メートルの“コケの壁”と人が腰を下ろせるベンチで構成されている。コケは空気清浄効果が高く、「シティ・ツリー」1台で、樹木275本分の大気汚染物質を吸収するという。

 また、IoTセンサーで大気の質を常にモニタリングしてくれるため、大気環境測定器の代わりとして活用できる上に、壁の横についているモニターを広告版として利用できるため、広告収入も期待できる。

 それでいてメンテナンスにはさほど手がかからない。必要な電力は全て内蔵されている太陽光パネルで発電した電気で賄えるし、タンクに雨水を溜めておいて、適時にスプリンクラーでコケに水やりをする仕組みになっているため、わざわざ水をやりにいかなくても良い。

 既にいくつかの国が、少ない面積で高い空気清浄効果を期待できるこの商品に目をつけており、ドイツをはじめ、ノルウェー、フランス、マケドニア、香港等で設置が進められているという。

 もちろん「シティ・ツリー」だけで、北京の大気汚染を完全解決するのは無理だが、改善策の1つとして導入を検討してみてはどうかと思う。また、コケの空気清浄効果高いのであれば、ビルの屋上のふちにコケの配置し緑化を進める等、コケの有効活用を真剣に検討してみても良いかも知れない。

 

「シティ・ツリー(CityTree)」メモ

  • ドイツのスタートアップ「グリーン・シティ・ソリューションズ(Green City Solutions)」が開発したベンチ
  • 高さ4メートル、幅3メートルの“コケの壁”とベンチで構成されている
  • 1台で、樹木275本分の空気清浄効果がある
  • IoTセンサーやモニターが内蔵されており、大気環境測定器や広告版としても活用できる。
  • 内蔵されている太陽光パネルを用いて自家発電できる上に、適時に自動で水をやる仕組みなっており、メンテナンスに手間がかからない。

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「シティ・ツリー(CityTree)」