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充電いらずのスマート・ウォッチ「マトリックス・パワーウォッチ(MATRIX Powerwatch)」

 スマート・ウォッチは、歩数をカウントしてくれたり、消費カロリーを測定してくれたり、スマホを取り出さなくてもメールを確認できたりなど、何かと便利だ。

 便利なのはわかっているが、私がそれでもスマート・ウォッチを買わないのは、毎回充電するのがめんどくさいからだ。スマート・ウォッチのユーザーに聞いてみても、やはり充電はストレスだそうだ。

 ところが、アメリカのスタートアップ「MATRIX Industries」社が発売したスマート・ウォッチ「マトリックス・パワーウォッチ(MATRIX Powerwatch)」は、充電忘れで使えなくなる心配はないという。

 「マトリックス・パワーウォッチ」は、温度差発電(サーモテクノロジ)という技術を採用している。温度差発電とは、温度差を与えた途端に電子が移動し、偏りが生じて電位差ができるという金属の特性を利用して発電する発電技術だ。

 「マトリックス・パワーウォッチ」の場合は、腕の体温と時計ケース間の温度差を利用して発電しているという。温度差発電自体は、さほど新しい技術ではないが、今までは極端な温度差が必要だったのに対し、「マトリックス・パワーウォッチ」はたった1度の差であっても発電できることと、どんなに暖かい場所でも腕と時計ケースの間に1度以上の差が出るように設計上の工夫をしているところが凄いらしい。

 ただ、まだ温度差発電だけでは、提供できる機能は限られるようで、2017年に発売された初代モデルは、消費電力が少ない白黒LCDメモリディスプレイを採用している上に、機能も加速度センサーを利用した活動量の測定や睡眠測定など、基本的なもののみに限定されていた。

 2019年1月に公開された最新モデルではベゼル(風防の周りに取り付けられるリング状のパーツ)周辺にソーラー電池を配置し、太陽光発電と組み合わせる方式を取っている。そのおかげで、フルカラーの液晶ディスプレイ、GPS、コンパス、心拍数モニタリングなどを追加で提供できるようになったという。

 製造元である「MATRIX Industries」社が目指しているのは時計メーカーではない。温度差発電技術を色んなものに適用し、普及させることを目的としており、近いうちに他のIoTデバイスにも適用するらしい。

 前回の記事(牛用ウェアラブル、IoTで畜産・酪農を変える「ファームノート」)で紹介した牛用ウェアラブル機器にもすぐに適用できそうだし、家の中の温度と外の気温差を利用した家庭用電気の発電でも使えるのではないかと思う。今後の更なる技術の発展・普及が楽しみだ。

 

マトリックス・パワーウォッチ」メモ

  • アメリカのスタートアップ「MATRIX Industries」社が発売したスマート・ウォッチ
  • 温度差発電技術を採用しており、腕の体温と時計ケース間の温度差を利用して発電した電気で充電される
  • 機能としては、活動量測定、睡眠測定、GPS、コンパス、心拍数モニタリングなどを提供している


Matrix PowerWatch 2 - The Most Powerful Watch in the World

 

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