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ごみゼロを目指すショッピングプラットフォーム「ループ(Loop)」

 プラスチックは、人類が発明した最も偉大な発明の一つである。軽くて、丈夫だし、色んな形に変えられる上に、コストも安い。それ故に、現代では、プラスチックの時代と言っても良いほど、ほとんどの製品にプラスチックが使われている。

 しかし、最近では、腐敗しないという特性ゆえに、捨てられたプラスチックごみが海に流れ、溜まり続けたあげく、海洋汚染の主犯と化している。そのような背景から、カフェで使われるコップやストローを紙製に変えたり、買い物袋を持参したお客さんに割引を提供したりするなど、様々な企業にてプラスチックごみを減らすための取組が行われている。

 そんな中、2019年1月24日に開かれたダボス会議で、一般消費財から発生するごみをゼロにすることを目指すショッピングプラットフォーム「ループ(Loop)」が発表された。

 「ループ」の仕組みはこうだ。ループで商品を購入すると、ガラスやステンレスなど、洗浄すれば再利用可能な容器に入った商品が家に届く。この際に、商品は、段ボール箱ではなく、再利用可能な「ループ」専用の箱で運ばれる。

 商品を使い切ったら、商品の容器を「ループ」専用の箱に積めた上で、宅配業者を呼ぶと、宅配業者が箱を回収する。回収された容器は、「ループ」が綺麗に洗浄し、再度商品の容器として使われると言った非常にシンプルな仕組みだ。

 今までは、使用後の消費者の行動によって、リサイクルされるかごみになるかが決まっていた。消費者が洗浄や分別をせずに捨ててしまうと、その容器はリサイクルのサイクルから外れて、ただのごみになってしまう。

 「ループ」は、今まで消費者に任せきりだった部分までを、自らが担当することで、途中でリサイクルのサイクルから外れてしまうものを減らそうとしている。

 この「ループ」のアイデアには、世界的な消費財メーカも賛同しており、ペプシコーラネスレ、P&G、ユニリーバなどがプラットフォームへの参加を表明しているらしい。

 各メーカの人気製品を中心に、「ループ」で利用可能なパッケージの開発が進んでおり、2019年5月から、ニューヨークとパリを中心に試行を行った上で、本格展開する予定だという。2020年には、東京でもサービス展開することを目指しているようだ。

 恥ずかしい話だが、私自身、仕事で疲れていたりすると、商品容器の中身を洗わずに、燃えるごみとして捨ててしまうことがたまにある。それが良くないことも自覚しているので、価格次第ではあるが、東京でサービスが使えるようになったら、ぜひ使ってみたいと思っている。

 一方で、一般的に商品の注文はまとめてやるが、商品を使い切るタイミングは必ずしも一致しない。五月雨に回収すると回収費用がかさむし、まとめて回収しようとすると容器の再利用が需要に追い付かない。この問題を「ループ」がどのように解決するかも楽しみだ。

 

「ループ(Loop)」メモ

  • アメリカのリサイクル企業「テラサイクル(TerraCycle)」が開発したショッピングプラットフォーム
  • 一般消費財を詰め替え容器に入れて販売し、利用後は、直接回収、洗浄、再利用することで、ごみが発生しない消費サイクルを作りだすことが目標。
  • ペプシコーラネスレ、P&G、ユニリーバなどの世界的な消費財メーカが賛同しており、「ループ」向けの容器を開発中
  • 2019年5月から施行期間を経て順次サービスを拡大させる予定であり、2020年には東京でもサービスを開始する予定

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「ループ」の仕組み

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PANTENEの「ループ」向けパッケージ

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ハーゲンダッツの「ループ」向けパッケージ